これは、とある小さな国でのお話。

王族に仕える親衛隊のクガエは、国の内乱を鎮めるため、奮闘する日々を送っていた。

その最中、王の一人娘、カジカ姫の婚礼の日は迫る。
クガエの心は複雑だった。
なぜなら、彼女とは幼い頃から仲が良く、お互いに惹かれあっていたから。

「ねぇ、時間の穴って知ってる?」
不気味に微笑むの双子。

「君たちのような若者が闘わなくてもいい、そんな世界を・・・」
自らの理想を追いかける男。

「しけたツラすんなよ、英雄さん。」
自尊心に苦しむ戦友。

「特別って、すっごい孤独なんだよ?」
自分の立場を嘆く少女。

全てを乗せて、時間の歯車はる。



「いいか、クガエ。これから村の人全員を・・・」

はたして、彼が下した決断とは―――――



そんな彼を、老婆はただ静かに見つめていた。